2011年10月15日土曜日

表現力について

フィギュアスケートにおいて、「表現力」という言葉はとてもよく耳にも目にもするものです。
多くは「得点差」を語る時であるように思います。

「高い表現力」と評される選手の演技には、涙があふれるほど心揺さぶられるものもあり、また、通り過ぎるが如くに何も残さないものもあり、私には不可解なことが多いと感じています。

例えば、「音楽(クラシック)」の演奏の場合ですと、「高い表現力」というものは確かな基礎に支えられた技術力を駆使し、その上に表現者の持つ感性・個性を重ねたものであるという認識が、私にはあります。
同じ楽譜を使って、同じ楽器で演奏しても、全く異なった演奏になる所以です。
楽譜に忠実に演奏する為には、読み取る能力やそれを間違いなく演奏する技術が必要です。
これだけでも大変な努力が必要で、その為に子供の頃から、毎日練習を重ねるものなのです。

しかし、忘れてならないのは、これだけでは「表現」には至らないということです。
楽譜通りに実行することが難しいレベルでは、ここで一応の「達成」を言うことが多いでしょうが、決してそうではありません。
これは「出発点」に過ぎないのです。「表現」に向かう為には。

終わりの無い苦しい道のりでしょうね、表現者というものは・・・・・・
・・・・・・その境地に立った方にしか分からないでしょうから、私のような者が言うのも憚られますが。

私に出来ることは、表現者が発っするものを感じる心を磨くことだけです。

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