2012年4月5日木曜日

完成度とは何かという問題

フィギュアスケートの話にもよく出てくるフレーズですよね。

「完成度が高い」
or「完成度が低い」

どうもミスが無い演技を「完成度が高い」、
ミスがあったら「完成度が低い」、
そう評しているようです。

本当にそうなのでしょうか。

私はどうしてもそうとは思えないのです。
クラシック音楽の演奏にも通じることですが、「生」である限り、そして人間が行う限り、多少のミスはあって当然だと思います。
もちろん、無いに越したことはありませんが、それ以上に大切なものを失ってまで追い求めるものではないと。
ミスを回避したいが為に、努力する方向が変わってしまっては本末転倒です。何を取って何を諦めるかは、その時々の「器」によるでしょう。だから、皆「器」を大きくするために精進するのだと思っています。

精進し続けている者には、時折奇跡のような瞬間が訪れるのではないか、そう思います。フィギュアスケートで言えば、高難度のプログラムをミス無く演じきることでしょうか。その瞬間に狙って出来るものではないと思いますが、その準備が無い者には決して訪れないでしょう。私には真央さんがその瞬間の為に走り続けているように感じられるのです。

「完成度」で言うなら、真央さんの追い求める完成度はノーミスの演技(よく使ってはいる言葉かもしれませんが・・・)ではなく、より濃い、深みのある演技だと感じます。心をど~んと揺す振られる様な・・・・・・。

一度も到達しない人も多いその瞬間を、あと何回見ることが出来るのでしょう。
少しでも長く、一度でも多く、と欲張ってしまう私は、真央さんに心奪われてしまっているだけでなく、全ての美しいものを愛し、気高きものに頭を垂れる凡人です。

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